「仕事が続かない」は根性の問題ではない
三年で三回辞めた人が、四回目で十年続くことがあります。続くかどうかを決めているのは我慢の量ではなく、三か所のズレです。

仕事が続かないと、たいてい自分の忍耐力を疑います。ところが、三年で三回辞めた人が四回目で十年続くということが普通に起きます。忍耐力が四回目で急に増えたわけではありません。
続くかどうかを決めているのは、我慢の量ではなく合っていない場所がどこかです。そしてそれは、だいたい三か所しかありません。
① 動力のズレ
無いものを作りたい人が、あるものを回す仕事についている。またはその逆です。
- 作る側の人が運用に回されると、半年で退屈します。仕事の質は落ちないので、周りは気づきません
- 回す側の人が立ち上げに放り込まれると、決まっていないことの多さに消耗します。こちらは早く表に出ます
このズレの特徴は、仕事が嫌いになるのではなく、どうでもよくなることです。怒りではなく無関心として出ます。
② 向き先のズレ
人を動かして成果を出す人が、一日中ひとりで作業している。またはその逆です。
- 人に向いている人が在宅で単独作業を続けると、成果は出ているのに満たされません
- 対象に向いている人が会議漬けになると、「今日は何もできなかった」と毎晩思います
このズレは、忙しさとは無関係に出るのが特徴です。暇でもつらいし、忙しくてもつらい。だから原因を仕事量だと勘違いしやすくなります。
③ 環境のズレ
決まっていないほうが動ける人が、手順の固い職場にいる。またはその逆です。
- 変化側の人が完全にルール化された職場に入ると、息が詰まります
- 安定側の人がやり方の毎回変わる職場に入ると、これも同じくらい消耗します
三つの中でいちばん人間関係の問題に見えやすいのがこれです。実際には環境の作りが合っていないだけなのに、特定の誰かのせいだと感じます。転職しても同じことが起きるなら、疑うべきは相手ではありません。
量の疲れか、型のズレか
見分け方は一つだけです。休んで戻るかどうか。
- 一週間休んで元気になり、戻ってまた回せるなら → 量の問題です。働き方を調整すれば済みます
- 休んだ日は元気なのに、出社を考えた瞬間に戻るなら → 型のズレです。休んでも解決しません
型のズレは、休息では治りません。ここを取り違えて、休みを取っては同じ場所に戻るのを繰り返している人がとても多いです。
転職の前にできること
型がズレているとして、いきなり辞める必要はありません。先にやれることがあります。
いまの仕事の中で、合っている作業の比率を上げる。 一日の中で作る仕事が二割しかないなら、四割にできないかを考える。会議が多すぎるなら、出なくていい会議を一つ減らす。地味ですが、これで持ち直す人はかなりいます。
それでも比率が変わらない職場なら、そのときは環境のほうを変える番です。順番を守ると、転職の失敗率が下がります。次に行く先が同じ型のズレを持っていないか、判断できるようになるからです。
続かないこと自体は、欠陥ではない
最後にひとつ。合わない場所で長く耐えられることは、能力ではありません。耐えられなかったという事実は、あなたの情報として正確です。
問題は、どこが合わなかったのかを言葉にしないまま次に行くことです。言葉にできていれば、同じ場所を三回踏まずに済みます。
なお、これは心理学の枠組みを借りた読みものであり、検証された職業適性検査ではありません。転職の判断そのものに使うものではなく、自分の傾向を言葉にするきっかけとして使うのがおすすめです。