ナカ NAKAMI

陰でどう思われているかを知りたい、という気持ちの正体

人が本当に気にしているのは悪口ではありません。自分がいない場所で、自分がどう説明されているのか。その一行が知りたいだけです。

陰でどう思われてる診断

「陰でどう思われているか知りたい」と言う人に、本当に悪口を聞きたいのか尋ねると、たいてい首を振ります。聞きたいのは悪口ではありません。自分がいない場所で、自分がどんな一行で説明されているのか。 知りたいのはそこです。

私たちは、自分の第一印象を一度も見たことがない

考えてみると不思議な話です。自分の顔は鏡で見られます。自分の声は録音で聞けます。ところが「自分がいない部屋での自分の話題」だけは、原理的に絶対に見られません。

見られないものについて、人は想像でうめます。そして想像はたいてい実際より厳しい方向へ寄ります。まわりが自分について話している内容を、多くの人は実際よりも悪く見積もっています。

陰口の量は、本音を言う量と反比例する

これは意外に思われるのですが、思ったことをその場で言い切る人ほど、陰で話される量は少なくなります。裏に回す材料が残らないからです。

逆に、いつも笑顔で全部に賛成している人のほうが、陰では長く話されます。本音が見えないぶん、まわりが推測で埋める余地が大きいのです。「あの人、本当はどう思ってるんだろうね」という会話が、そのまま陰の話題になります。

曖昧さは、優しさとしては機能しますが、陰口の予防にはなりません。 ここは覚えておいて損がありません。

「何を考えているか分からない」は、悪い評価ではない

陰で言われる言葉の中で、いちばん誤解されやすいのがこれです。言われた本人は嫌われたと受け取りますが、実際に使われている場面はもっと単純です。

情報が足りないので、まわりは判断を保留しているだけです。保留は否定ではありません。むしろ、飽きられていないという意味では有利ですらあります。恋愛でこのタイプが強いのは、そのためです。

ただし、この立ち位置には代償があります。分からない人のところには、深い相談が来ません。 困っていても誰も気づかず、本人も言わない。静かにこじれていきます。全部を見せる必要はありませんが、ひとりだけ、全部を話せる相手を決めておくと、この型は完成します。

いちばん強い評価は、遅れて届く

集まりが終わった直後に話題になるのは、たいてい面白かった人です。ところが三年後に思い出されるのは、しんどい日に隣に座っていた人のほうです。

この二つは別の指標です。前者は速く、後者は遅い。遅い評価しか持っていない人は、若いうちは自分が薄いと感じます。 陰で自分の話が出ないからです。ですが、出ないのは悪く言われていないという意味でもあります。

十年続く関係でどちらが選ばれるかといえば、ほぼ確実に後者です。急がなくて大丈夫です。

陰の評価は、変えられる。ただし方法はひとつ

まわりの評価を直接いじる方法はありません。誤解を解こうとして説明すればするほど、たいてい印象は濃くなります。

効くのはひとつだけで、本人のいる場所で言われることを増やすことです。思っていることを本人に言う人は、陰で話される量が減ります。頼みごとをする人は、頼られる人になります。自分の話を三分する人は、聞くだけの人という一行から抜けられます。

陰での評価を良くしたいなら、陰ではないところに材料を置くしかありません。単純ですが、これ以外の方法をまだ見たことがありません。

知って、どうするか

診断で出た一行が当たっていたなら、それはまわりに見えている自分の形です。気に入らなければ、明日から出す材料を変えればいい。気に入ったなら、そのまま続ければいい。

どちらにしても、見えなかったものが一行になった時点で、すでに半分は解決しています。 見えない相手とは戦えませんが、一行になったものとは付き合えます。